ジェイ・Z が語るアルマン・ド・ブリニャックの展望と物作りに対するスタンス
14年ぶりに来日したジェイ・Zに単独インタビューを決行
ジェイ・Z が語るアルマン・ド・ブリニャックの展望と物作りに対するスタンス
14年ぶりに来日したジェイ・Zに単独インタビューを決行
去る4月、シャンパーニュブランド「アルマン・ド・ブリニャック(Armand de Brignac)」創設者のジェイ・Z(JAY-Z)ことショーン・カーター(Shawn Carter)が、久方ぶりに日本の地を踏んだ。もはや説明不要かもしれないが、ジェイ・Zといえば、音楽のみならずビジネス面でも、その手腕を発揮し、年々実業家としての側面が強くなっている。今回の来日の目的も、「アルマン・ド・ブリニャック」が展開する“ブラン・ ド・ノワール アッサンブラージュ 4(Blanc de Noirs Assemblage No. 4)”の日本ローンチを祝うものだ。
2013年、2014年、2015年のヴィンテージワインをブレンドした“ブラン・ ド・ノワール アッサンブラージュ 4”は、最高品質のプルミエ・クリュ(一級畑)およびグラン・クリュ(特級畑)から収穫されたピノ・ノワールを100%使用。7年間熟成され、2023年4月20日にデゴルジュマン(澱抜き)された。世界7,328本の限定生産となり、1本1本のボトルにシリアル・ナンバーが記載されている。
「アルマン・ド・ブリニャック」は、ジェイ・Z滞在中に『東京ミッドタウン八重洲』の『ブルガリ ホテル 東京』にて、関係者を集めたプライベートディナーを実施。多くのゲストに迎えられたジェイ・Zは、シンプルなオールブラックのアウトフィットだったが、さりげなく〈UNDERCOVER(アンダーカバー)〉のレザージャケットを着用しており、この辺りのセンスはさすが!と勝手に感心してしまった。(SNSなどでジェイ・Zの動向をチェックしていた方もいるかもしれないが)その後は、クルーと共に2晩にわたって都内のクラブを周り、東京のナイトシーンを満喫していた様子。
『Hypebeast』では、そんなジェイ・Zへの単独インタビューという貴重な機会に恵まれた。インタビューは早朝に行われたが、前日の疲れなどは一切見せず、笑顔で筆者を招き入れてくれたジェイ・Z。限られた時間ではあったものの、日本への想いや、ビジネスおよびクリエーションに対する心構えなど、丁寧に答えてくれた。
Hypebeast:久しぶりの日本はいかがですか?
14年間も日本に来ていなかったんです。信じられます?いつの間にかそんなに年月が経ってしまっていた。日本は文化、職人技、誠実さ、素晴らしい食べ物に溢れた本当に美しい場所で、全体的に豊かな文化が育まれていますね。そして言うまでもなく、ヒップホップと日本は“従兄弟”のような関係で、いつも密接にお互いを刺激し合ってきたと思います。僕が日本に初めて来たのは14年どころではなく、もっと前の話ですが、その時にとある若者と知り合いました。彼はブランドをやったり、イベントをオーガナイズしてて、それがNIGO®️(ニゴー)でした。後に彼がアメリカで大成功するかなり前の出来事で、正確にいつだったかは記憶してないけど、とにかくかなり早い時期に会っていました。
シャンパンブランドを所有する上で、最も重要なことは何ですか?
良い質問ですね。最も重要なのは、“本物”であることです。我々は単なるセレブ主導のブランドではないし、そのようなものにも惹かれない。何百年、何千年という長い年月が経っても廃れないものを作ることにだけ関心があります。シャンパンブランドの中には大昔から続いてるものもあるでしょう?自分たちもただただ誠実に本物を作りたいだけなんです。
なるほど。成功の秘訣も同様ですか?
常に“真実”に忠実でなければならない。どんなことに対しても同じ考えです。偽りの仮面を被っていれば、すぐに見破られてしまう。それによって上昇したとしても、さらに速いスピードで落下するかもしれない。時の流れに耐えるものを創ろうとするとき、その基盤は“真実”でなければなりません。美しいパッケージに何かを入れることができますが、人々がそれを開けてみて、そこにクオリティがないと分かれば、オーディエンスは戻ってきません。一度目はあるかもしれないが、品質なくしてその先はありません。音楽であれ、ファッションであれ、アルコールであれ、私が関わるものについては、その点を探求することに非常に興味があります。だから、長い目で見れば、真実こそが成功の決め手だと思います。一時的な高揚感ではなくね。
個人的に一番好みの種類は?
最近ローンチしたブラン・ ド・ノワール アッサンブラージュ 4ですね。今販売しているのは、4番目のリリースでピノ・ノワール100%なので、甘みがあってとても飲みやすいです。そして品質の良さを味わうことができる。表面はとても飲みやすくて軽い。でも、後味はとても複雑なんだ。まさに美しい逸品だと思います。
今後の展望を教えてください。
私たちは、常にアルマン・ド・ブリニャックを拡大するための方法を模索しています。それが、ブラン・ド・ノワールのような新しいフレーバーの発見であれ、ブランドをプレゼンする新たな方法であれね。マーケティング戦略もさまざまです。コラボレーションについては、私たちがファンであり、ブランドのファンである人々と行います。私たちの共通の目標や関心事は、コラボレーションのためのコラボレーションではなく、一緒に物事に取り組んでいるという誠実さに根ざしているのです。この先も常にそれが前提にありますし、とてもエキサイティングなことです。繰り返しになりますが、我々はとても若いブランドなので、可能性は無限にあります。
※未成年者の飲酒は法律で禁じられています。