現地レストランオーナーが教える、ニューヨークで訪れるべき"本物の”アジア料理店
案内人は、ビブ・グルマンを受賞レストラン『Pot Luch Club』のコリー・ン
異文化における“本格的な料理”と呼ばれるもののなかには、実際にそうではない場合も多く、そこには間違いなくマーケティングが関わっている。では、今日でも“本格的な”レストランは存在するのだろうか? その答えは、もちろん存在する。ただし、だれに聞けばいいか、どこに行けばいいかを知っておく必要がある。
ニューヨークの人気レストラン『Pot Luck Club』の経営者であるコリー・ン (Cory Ng) は、この任務を快く引き受けた。『Pot Luck Club』は、トラディショナルではないが、間違いなく本格的だ。コリーの料理へのアプローチは、自身が食べて育った料理を再現したうえで、材料や調理法を変更してアップデートすることだ。『Pot Luck Club』はビブ・グルマンを受賞し、今年中に2つ目の店舗をオープンする予定だ。そんなコリーが、ニューヨーク市内にあるチャイナタウン(マンハッタン、クイーンズ区フラッシング、そしてブルックリンの8番街周辺)のリアルなアジア料理店を紹介してくれた。
Great NY Noodletown
『Great NY Noodletown』はマンハッタンの人々にとって欠かせない存在であり、その古き良き魅力だけでなく、マンハッタン橋のすぐ近くという立地条件から、チャイナタウン入門としての役割も果たしている。初めて訪れるなら、まずはワンタン麺を注文してみてほしい。2回目以降なら、お粥に「油条(ヤウチャッカイ)」を浸けて食べてみよう。ヤウチャッカイは、揚げパンを意味するマンダリン(中国標準語)と広東語で使われる言葉である。
コリーのひとこと「ここはチャイナタウンの名物です。心が温まる、伝統的かつ本格的な広東料理が楽しめます!」
Great NY Noodletown
28 Bowery
New York, NY 10013
Malaysia Beef Jerky
『Malaysia Beef Jerky』は厳密に言えばレストランではなく、ビーフジャーキーに特化した肉店だ。チャイナタウンで長い歴史を持ち、エリザベス通りに登場して以来、変わらないスタイルで提供している。派手さや贅沢さは無用。スライスされたジャーキーは量り売りで、ワックスペーパーで袋詰めされ、ナプキン付きで提供される。それ以上は必要ないのだ。
コリーのひとこと「説明不要。この店のビーフジャーキーはいつも素晴らしいです。絶対にスパイシーな味を試してください!」
Malaysia Beef Jerky
95A Elizabeth St
New York, NY 10013
Rice Roll Cart
「腸粉(チョンファン)」は自分の好みで味をカスタマイズできる伝統的な軽食。ポーク、ビーフ、トウモロコシにネギ……好きな食材を選んでトッピングすればいい。ニューヨークのチャイナタウンにはいくつかのチョンファンの店があるが、『Rice Roll Cart』は限りなくシンプルで、キッチンカーで提供する形式を取っている。ソースは、醤油にピーナッツ・ソース、そして少しだけシラチャー・ソース(タイ発祥のチリソース)をミックスするのがおすすめ。
コリーのひとこと「キッチンカーはチャイナタウンのメインパートを担っていますが、近年急速に失われつつあります。この文化を保存し、支援することは非常に重要です」
Rice Roll Cart
Stationed outside of 159 Hester St
New York, NY 10013
Bo Ky
『Bo Ky』は、中国南部の潮山地方に住む潮州族のエスニック料理を提供するレストラン。 料理は、スープ麺や炒め物など、馴染みがある中華料理やベトナム料理を食べることができますが、潮州料理は野菜や魚介類を使用することでも知られており、選択肢には事欠かない。『 Bo Ky』は、演出や雰囲気ではなく、シンプルなうまみでおいしさを増幅させます。 心安らぐ、ボリュームたっぷりのメニューを探しているなら『Bo Ky』に決まり。
コリーのひとこと「潮州料理のレストランはますます希少になっています。『Bo Ky』は現存する最高の潮州料理店だね」
Bo Ky
80 Bayard St
New York, NY 10013
Yun Nan Flavour Garden
ラグジュアリーな雰囲気を味わいたいなら他に行ってほしい。 目の前の食べ物に集中したいなら、『Yun Nan Flavour Garden』は間違いなく訪れるべきレストランだ。牛肉麺、餃子、キュウリのラー油和えなど、伝統的な料理をアレンジしたメニューが魅力で、なかでもおすすめは、麺や肉、野菜のトッピングを自由に選べる「Crossing Bridge」ヌードルだ。
コリーのひとこと「最高の麺料理があなたを中国南部に連れて行ってくれます」
Yun Nan Flavour Garden
5121 8th Ave
Brooklyn, NY 11220
Pho Viet Nam
ニューヨークの寒い雨夜に食べるフォーに勝るものはない。ブルックリンには幸運なことに『Pho Viet Nam』がある。フォーやブンボーフエ(米粉の太麺と牛肉を用いた料理)、豚肉のグリルとライスのプレートなどを取り揃える。シャキッとしたいなら、アイスのベトナムコーヒーもあわせて注文しよう。
コリーのひとこと「誰もがフォーについて話しますが、この店には他では味わえないベトナムのイカ料理もあります」
Pho Viet Nam
1243 Avenue U
Brooklyn, NY 11229
Golden Palace
『Golden Palace』は、広東料理を提供する、定番の宴会場スタイルの中華料理店で、飲茶(ヤムチャ)が体験できる。飲茶に馴染みのない場合は、中華風のブランチだと考えるとわかりやすい。お腹いっぱい食べるというよりも、点心料理に舌鼓をうちながら同席者と会話を楽しむのだ。カートで運ばれてくるコースの中にお望みの点心がなかった場合は、ためらわずにウェイターに注文しよう。すぐに持ってきてくれるはずだ。
コリーのひとこと「点心の種類がいっぱい」
Golden Palace
1619 86th St
Brooklyn, NY 11214
Maxi’s Noodle 2
もしあなたが信じられないほど腹ペコで、ニューヨークを訪れた友人に感動を与えたいと思っているなら、『Maxi’s Noodle 2』はいかが? ここの専売特許はスープ麺と、“映える”特大ワンタンだ。ワンタンはゴルフボールよりも大きく、皮と肉においしいスープが染み込んでいる。
コリーのひとこと「これだけ覚えれば大丈夫。『SUPER-SIZED WONTONS(特大ワンタン)』」
Maxi’s Noodle 2
59-20 Main St
Flushing, NY 11355
Deluxe Food Market
レストランやテイクアウトでは物足りない? 本格的な中華レシピで料理の腕を磨きたい? ならば『Deluxe Food Market』へ行ってみよう。アジアの繁華街を思わせるネオンが光るスーパーマーケットで、中華料理に必要な食材がなんでも揃う。中国語のラベルが読めない場合は、行く前に写真を撮っておくといい。現金を用意していこう。
コリーのひとこと「最高の精肉店。家庭用中華鍋を作る場合のあらゆるニーズに応える場所です」
Deluxe Food Market
Zhang Ming Building, 13356 41st Ave
Flushing, NY 11355
Hai Di Lao
火鍋ファンにとってのディズニーランドといえる『Hai Di Lao』は、10年前に米国に進出して以来、火鍋の聖地となっている。 行列に並ぶあいだ、無料の軽食や飲み物に加えてマニキュアやビデオゲーム、さらにはハンドマッサージまで、あらゆるサービスが提供されることについて聞いたことがある人もいるかもしれない。実際、これらのサービスや信頼性、食品の品質は真実であり、それによって『Hai Di Lao』は飛躍的な成功を収めてきた。ニューヨークに来たなら、訪れる価値あり。
コリーのひとこと「最高のパーティーを過ごすために、ぜひ個室を予約してください」
Hai Di Lao
138-23 39th Ave
Flushing, NY 11354