日本上陸を果たした Apple Vision Pro を体験してみた
何もかもが画期的
6月28日に日本でもついにリリースを迎えた「Apple(アップル)」Vision Pro。本稿では、その簡単な体験レビューをお届けしたい(※短時間での駆け足体験だったので、筆者の認識違いなど誤りがあるかもしれません)。
事前にFace IDのような形で、自身の顔のスキャンをし、デバイスを装着してから視線の最適化を行う。設定が終わると、周囲の景色が見え始めるが、これは透けて見えているのではなく、カメラが捉えている映像だという。“空間コンピューティング”ということで、目の前・後ろ・左右・上下の空間がそのままラップトップなどの画面になるイメージだ。macOS、iOS、iPadOSを基盤としたvisionOSを搭載しているので、「Apple」ユーザーであれば、初めてでも操作に困らないはず。基本的な動きは簡単で、本体右上のデジタルクラウンと、“視線” & “親指と人差し指のタップ”のみ。指を離すタイミングなどは、完全に慣れるまでに少しだけ時間がかかるかもしれないが、Vision Proのカメラ範囲内であれば、手を後ろに回すなどしない限り、位置を気にする必要はない。
Vision Proの世界は「リアル」という表現すると薄っぺらく聞こえてしまうかもしれないが、現実空間とほぼ区別が付かない。視界を月面や大自然の山の中という360度のビジュアルに設定することも可能なので、自宅やオフィス空間から、どこでもドアを開けた気分。デバイスに収録されている180度の8K3D撮影フォーマットのApple Immersive VideoもVision Proの凄さがわかるコンテンツ。断崖絶壁の間を綱渡りする動画は、見ているだけ冷や汗ものだ(高所恐怖症の方にはおすすめしない)。同じくインストール済みのインタラクティブアプリ『恐竜たちとの遭遇』では、こちらの動きを恐竜たちが認識し、近い付いてきたり、触れたりすることができる。
その他にも「NBAオールスター」の映像を観たが、レブロン・ジェームズ(LeBron James)のダンクを上から眺めたり、ステフィン・カリー(Stephen Curry)が目の前で3ポイントを放ったり、自分のところにボールが飛んできたり(ここでは思わず目を閉じてしまった)と、コートサイドで試合を観戦しているのと遜色なし。また、NBAファンの筆者には嬉しいポイントだが、Vision Proではなんと5試合を同時に観戦できる。視線とタップの基本操作で、メインの試合の入れ替えも容易だ。同じような形で、通常のラップトップ上で行うような作業も360度の視界でマルチに対応できる。例えば、右上にSafariのウィンドウ、その下に別のウィンドウ、真ん中にメッセージアプリ、左にフォトプレビューなど。
Vision Proで撮影できる空間ビデオと空間写真は、立体感を持って映し出され、撮った瞬間がその場でプレイバックされるような感覚。家族や友人との限りある大切な時間など、思い出作りに新しい可能性をもたらすだろう。実家で飼っていた故チワワ姉妹を撮影したかった(泣)。ちなみに空間ビデオはiPhone 15 Proでも撮影できる。
装着時の周囲とのコミュニケーションが気になる方もいるかもしれないが、話しかけられると画面上にその人がフワッと浮き出てきて、話している間は相手もこちらの目が見える仕様に。
大事なことを触れていなかったが、エヴァのアンビリカルケーブルのごとく、常に有線の外付けバッテリーを繋いでいる必要がある。が、ポケットに収まるサイズになのでそこまで気にならないはず。駆動時間は、一般的な使用では最大2時間、ビデオ再生では最大2.5時間とのこと。
価格は59万9,800円(税込)ということで、なかなか手が出しづらいところだが、お近くの『Apple Store』でデモ体験ができるので、少しでも気になっている方は是非試してもらいたい。想像以上なのは保証します。